君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
翌日、俺の手術は無事に終わった。
内視鏡を使った手術の為、肉体的な負担も大きくない。
関節の可動域も広くなって、後は再脱臼を起こさないための、
体作りとリハビリメニューが始まる。
そんな俺の入院生活の傍らにも、
毎日のように晃穂は姿を見せてくれた。
「ほらっ、相棒のスティック。
病院だから、叩けないけど一応ゴムパット」
鞄の中から出してくれたのは、ドラム練習アイテム。
その夜、久しぶりに
俺たちAnsyalのBLOGを開いた。
メンバーが順番に更新しているBLOG記事。
一部のファンが、俺が入院してるのを知って
病院に姿を見せているのは看護師さん経由で伝わっていた。
とりあえず、手術は無事に終わったから
もう一度、お前らの前に立てる日を楽しみにしてる。
それだけでも伝えたくて。
そう思って開いたBLOGに綴られた文面。
それぞれのメンバーの名前で更新されていた
今回の事件を取り扱った記事。
思わず、俺は順番にBLOGを遡った。