君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
「その笑顔。
やっぱ、晃穂ちゃんはその笑顔がええよ。
あのバカを思って笑ってる晃穂ちゃんの笑顔は自然体で
幸せそうで、見ててあったかくなるわ。
中学の時、最初に晃穂ちゃんに思た時からそう思ってたんや。
悪いようにはせんから、後はオレに委ねて待っとり。
さっ、もう少し仕事片付けてから、すき焼きパーティーお邪魔するわ。
紀天と一緒にな。でもそこでは、今日オレと密会したのは内緒な」
そう言うと尊夜君は悪戯っ子のように微笑んだ。
再び田頭さんに連絡を取った尊夜君によって、
私はリムジンまで送り届けられ、尊夜君お抱えの運転手さんの車で
紀天と暮らすマンションへと送り届けられた。
その夜、約束通り……紀天と尊夜君は、マンションに顔を出した。
当初は、三人で囲むすき焼きパーティーのはずが、
私の両親と、紀天の両親も加わって、七人での賑やかなパーティー。
こんな夜が日常になったらいいのに……。
そんな風に思えた穏やかな時間。
日付が変わる頃になってもアイツと暮らすマンションには、
七人の笑い声が響いていた。