君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
二人にプロポーズをする旨の報告をして、
病院を後にすると、あの日と同じように……真っ暗な空から雪がちらちらと舞い降り始めた。
コートの中に首を縮めるようにいれて、少し身震いをするとそのまま足早に
アイツの待つマンションへと帰る。
鍵を開けてドアを開けると「お帰りなさい、紀天」っとアイツはタオルを手に玄関へと
姿を見せる。
「雪、降りだしちゃったねー。
ほらっ、早く拭かなきゃ風邪ひくよ。
お風呂も入ってるし、寒いからキムチ鍋作っといた。
お肉はたっぷり入ってるから」
そう言って笑顔を見せるアイツが愛しくなって、
そのままアイツを俺の方へと抱き寄せる。
驚いたような表情を見せたアイツも抵抗することなく、
俺の方に体を預ける。
そんなアイツを抱きしめながら、俺は……ずっと考えていたプロポーズの言葉を続けた。
「なぁ、家族になろうか。晃穂」
アイツは俺の耳元で「いいよ」っと呟いた。