君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
「よしっ。今度、お母さんの前で晃穂のその姿見せてやってよ。
多分、一番喜ぶと思うから」
「うん」
そんな感じのプロポーズから1ヶ月は、慌ただしくて
時間があっという間に流れていった。
真っ先に私が報告したのは、デューティーである宝珠さま。
そして智海と凌雅。
6月のジューンブライドで結婚が決まってる二人は、
突然湧き上がった私たちの結婚話に一番驚いてた。
その後は二人揃って、怜さんのお墓に結婚する報告して
Ansyalのメンバーにも正式に挨拶をした。
大晦日がすぎて、新年が始まった後も世の中の冬休みを利用した
Ansyalの活動が慌ただしくて、私は自分に出来る範囲で手伝いにまわる。
毎日がバタバタで、結婚は決まっても……二人でゆっくりと結婚式に向かって準備する時間なんて
殆ど取れないままに時間だけがドンドン過ぎていった。
学生たちの冬休みが終わり、三学期が始まっても忙しさは殆ど変わらなかった。
一月があっという間に終わりかけた夜、仕事が帰ってきたアイツが「明日、出掛けるから一緒に来て」っと
私に告げた。
「もう私にだって用事あるんだから用事があるなら前もって伝えてよ」ってアイツに反抗して好き放題いってたけど、
アイツが私には内緒で、いろいろと企んでたなんてその時の私は何も知らなかった。
その夜、咲空良おばさんが私たちが住むマンションを訪ねて来て、
顔も体も含めて、全身のエステを施術してくれた。
とっても気持ちよくて、眠ってしまいそうになるのを何度か起こされながら
体のお手入れをして貰う。
時折、咲空良おばさんのエステにお世話になることはあったけど、
こんなにも時間をかけて施術して貰うのは初めてだった。
施術後に体を起こすと、凄く軽くなって鏡の写る肌の色も血行が凄く良くなっているようにも感じた。
そのまま夢心地気分で就寝して翌朝アイツに連れられて私はアイツの運転する車で出掛ける。