君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
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「紀天、晃穂ちゃん。
今日は結婚おめでとう」
「おめでとうございます」
「紀天と晃穂ちゃんが最初に俺たちのLIVEに来てくれたのは、
俺たちにとっての最愛のギターリスト、佐喜嶋怜が智に招待したチケットがきっかけでした。
智の都合がつかず、姿を見せてくれたのが紀天と晃穂ちゃん。
当時はドラムを始めたばかりの紀天。
そんな紀天が彼女と一緒にLIVEハウスに来てくれて、
その後は、俺たちのLIVEに何度も何度も通ってくれました。
そんな二人が、こうやって幸せな姿を見せてくれる。
それは俺たちメンバー一同、嬉しく思ってます。
ここに怜が残した最期の未発表曲があります。
タイトルは『君を守る陰になりたい』
楽譜の片隅に記されている文字は、Dear.紀天・晃穂の文字。
今日は怜が送りたかったであろうその曲を、
俺たちの音楽によって繋げられた仲間たちの手で、
届けたいと思います」
*
ボーカルの琢也さんの言葉の後、
何処からかスティックを打ち鳴らすEIJIさんの音が聞える。
何時の間に待機していたのか、分厚いカーテンが開かれると
AnsyalのとSHADEのメンバー、そして智さんが姿を見せた。
スクリーンに映し出されるのは、怜さんの生前の姿と共に流れる歌詞。
EIJIさんのドラムに、託実と羚のベース。
雪貴・祈のギターに、智のピアノ。
そんな演奏に重なっていく、尊夜と琢也さんの歌声。
間奏部分には、DTVTのストリングスの音色まで重なって
豪華すぎる曲に鳥肌が広がっていく。