一歩【完】








引かれる右腕








強く抱き締める腕の感触










「………恵、



君がそれを望むなら…僕は」








あなたの優しい声、匂い








「………もう、妻とも別れた」








私には、佐藤くんが居るのに





幸せは目の前なのに










どうして



私の足は、





あなたのもとへと








向かって行ってしまうの――…?





end.
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