さよならの魔法
『そして』
side・ユウキ
「天宮さんはー、紺野くんのことが好きなんだって!」
あの日の言葉。
磯崎の言った言葉が、今でも耳に残っている。
磯崎が、天宮のことをいじめていた日。
初めて、天宮の涙を見た日。
あの日は天宮にとって、忘れられない日になったことだろう。
そして、俺自身にとっても、忘れられない日になった。
初めての彼女と別れた。
自慢の彼女との別れを選んだのは、俺。
嫌いになった訳じゃない。
だけど、俺はもうずっと、彼女と別れることを考えてばかりいた。
好きだった。
可愛いなと、そう思っていたのは嘘じゃない。
たくさんの時間を、一緒に重ねていって。
もっともっと、お互いの気持ちを重ねていって。
そうなればいいと思っていたのに。
それは、単なる願望に過ぎなかったのだろうか。
現実は、そんなに甘くはなかった。
俺が考えていたほど、甘いものなんかじゃなかった。
すれ違った心は、元の位置には戻れない。
距離は開いていくばかりで、最後まで縮まることはなかった。
一緒にいればいるほど、お互いの違いを嫌でも感じさせられた。
根本的な考えの相違を実感させられるだけだった。
悲しいけど、現実はどうにもならない。
頭で思い描いていた方向とは、真逆の方向へと走り出していた。
止められない。
もう、誰にも止められないのだ。
加速した心は。
離れていくだけの心は。
友達としてなら、それでも構わないのだろう。
ああ、こういうヤツなんだって、そう突き放して考えることも出来る。
矢田がいい例だ。
矢田と俺は、考え方も感じ方もまるで違う。
それなのに友達として付き合い続けていられる理由は、どこか突き放して考えられるから。
矢田は、こういう人間なのだと。
自分とは考え方が違うけれど、それでも割り切っていられる。
友達ならば。
「天宮さんはー、紺野くんのことが好きなんだって!」
あの日の言葉。
磯崎の言った言葉が、今でも耳に残っている。
磯崎が、天宮のことをいじめていた日。
初めて、天宮の涙を見た日。
あの日は天宮にとって、忘れられない日になったことだろう。
そして、俺自身にとっても、忘れられない日になった。
初めての彼女と別れた。
自慢の彼女との別れを選んだのは、俺。
嫌いになった訳じゃない。
だけど、俺はもうずっと、彼女と別れることを考えてばかりいた。
好きだった。
可愛いなと、そう思っていたのは嘘じゃない。
たくさんの時間を、一緒に重ねていって。
もっともっと、お互いの気持ちを重ねていって。
そうなればいいと思っていたのに。
それは、単なる願望に過ぎなかったのだろうか。
現実は、そんなに甘くはなかった。
俺が考えていたほど、甘いものなんかじゃなかった。
すれ違った心は、元の位置には戻れない。
距離は開いていくばかりで、最後まで縮まることはなかった。
一緒にいればいるほど、お互いの違いを嫌でも感じさせられた。
根本的な考えの相違を実感させられるだけだった。
悲しいけど、現実はどうにもならない。
頭で思い描いていた方向とは、真逆の方向へと走り出していた。
止められない。
もう、誰にも止められないのだ。
加速した心は。
離れていくだけの心は。
友達としてなら、それでも構わないのだろう。
ああ、こういうヤツなんだって、そう突き放して考えることも出来る。
矢田がいい例だ。
矢田と俺は、考え方も感じ方もまるで違う。
それなのに友達として付き合い続けていられる理由は、どこか突き放して考えられるから。
矢田は、こういう人間なのだと。
自分とは考え方が違うけれど、それでも割り切っていられる。
友達ならば。