Limit−リミット−
「――…はっ!」
と、僕はそこで目が覚めた。
どうやらさっきの記憶のよみがえりの間、僕は寝ていたようだ。
と、息をつこうとして異変に気付く。
「ん?……えっ!?」
体に何かがのし掛かっている感覚。
金縛りかとも思ったが何も乗っかっていない手足は動く。
仰向けに寝っころがっている僕の腹の上で淡く光る黄色い光――…
「ほたる…かい?」
「やっと思い出してくれたのね。でも、私はまだ約束を守れない。でももう私には時間がない。」
淡い光に照らされているほたるの悲しそうな顔からは一筋の涙がこぼれる。
「時間がないってどういうことだい…?僕は記憶が戻ったと同時にきみへの温かい気持ちもあの時と同じに戻った。だから…泣かないで?」
と僕は優しく涙をぬぐう。
久しぶりに会う好きな女の子。
その透き通った白い頬に優しく触れることでさえ心臓がやかましく鳴り響く。
ほたるは僕の言葉に少し驚きながらも「本当?」と嬉しそうにたずねている。
そしてすぐ表情を曇らせ、一言一言噛みしめるようにゆっくりと話し出した。