Limit−リミット−
巴奏池はまぁまぁな大きさのある池で水も綺麗で人間の手がほとんど加わっていない。
たくさんの生き物に恵まれ、僕ら子供たちにすれば絶好の遊び場だった。
そんな美しいところに何故大人が寄り付かないかというと、巴奏池にはある都市伝説があるからだ。
その伝説の内容はこうだ。
『巴奏池がこの120年の間、1度も干上がらずにいられたのは沼に住むあやかし者のおかげに違いない。
そのあやかし者は腹を空かせており、安易に近づくと沼に引きずりこまれ喰われてしまう。
そして醜い姿として復活させられ、池の底にあるあやかし者の巣窟で朽ち果てるまで奴隷として扱われるのだ。』
というものだった。