Limit−リミット−
僕はさほど痛くなかったがその女の子はどうやらよっぽど痛かったようだ。
大きな目をさらに見開いて僕を上目遣いでにらめつけている(全く怖くないが)。
ごめんね、立てるかい?と僕は女の子に手を差し出したが簡単に払いのけられてしまった。
僕は聞いても無駄だと確信し見える限りでケガはしていないかとじろじろ見てしまった。
「何を見ている人の子。」
女の子に見た目とは似てもつかないドスのきいた低い声でたずねられた。
「え、いや…ケガはしてないかなって…」
予想外の声に僕の声は裏返る。
「ふんっこの私がケガなどするものか。してもすぐ治る。」
女の子は見た目のわりに口がすごく悪いようだ。
それより…
「きみ、ここで何してたの?名前は?」
女の子は嫌味な呆れた顔をしてまた毒を吐く。
「きみとは何だ失礼な。私は124歳だぞ。そして名を聞きたくば先に己が名乗れ。」