Limit−リミット−
僕は仕方なく従う。
「僕は凉河。友達に魚釣りするからと連れてこられたんだが…
池は干上がってるし友達とははぐれるし、さんざんな目にあっている最中だ。」
僕は少し仕返しのつもりで皮肉っぽく言ってみる。
しかし女の子はその皮肉にイラつくよりも驚いた様子で口をパクパクさせていた。
「りょうがって…凉ちゃん?」
ん?凉ちゃん?
女の子は僕の顔を凝視しながらも何かを確信したようでぶつぶつ1人でつぶやいている。
「やっぱりそうだ…凉ちゃんだ…え、どーしよ…まだ約束は守れない…」
僕は意味が分からんく、声をかけようとしたとたん…
「ごめんなさい凉ちゃん!私にはまだ凉ちゃんに会う資格はありません!」
そう僕を突き飛ばしながら言い捨てて、女の子は池のほとりの森へと走り去って行った。