~宿命~
明隆:「おぉ!孝道!やるなぁ。」
孝道:「俺だってやれば出来んだ。」
明隆:「そやな。よしっ!定道は両足、正道は両手を押さえろ!」
さすがに103キロの巨体を退す事は出来ず、息が出来る程度に押さえさせた。
明隆:「古島。これはお前の為やねんぞ!呪いが本間ならこんな焼いた釘で証が消える訳ないよなぁ?そう思わんか?」
古島:「当り前や。消えるはずねぇだろ!」
明隆:「消えたらええなぁ~。」
ニヤリと歯をみせ、持っている手まで焼けそうに熱い釘を呪いの証と言われている彫物(ほりもの)にひっつけた。
古島:「う゛ぁぁぁ!」
変な焦げ臭さが一瞬した。
俺は目を反らせたかったが、脅迫されているアホが可哀想に思え、助けたい気持ちが溢れ出ていた。
明隆:「なるほどな。」
墨かと思えば黒色の細い糸が埋め込まれていた。
正道:「兄さん、なんすか?それ?」
明隆:「ほら。黒い糸や。」
古島:「髪の毛や…。」
明隆:「アホ。糸やって言っとるやろ。髪の毛やったらそんなハッキリみえんゎ。」
古島:「んじゃ、俺はどないなんねん?」
目には涙がうかんでいた。
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