~宿命~
正道:「何じゃありゃ?」
孝道:「どれ?」
定道:「あっ!立った。」
正道:「兄さん。あれ、トップ(新石)っすよ。」
明隆:「何ぃ!?」
探していた新石だと知った途端、震えが止まり、さっきまでの弱虫とは思えない態度で孝道の後ろから出てきた。
明隆:「コラッ!新石ぃ!テメェのせいでチビったやないか!!」
新石は門の前で立ち止まり、こっちを見ている。
明隆:「何しとったんや!」
新石:「…」
明隆:「どうやって寝そべったらさっきみたいにいきなり現れるんや?」新石:「……」
明隆:「この野郎ぉ。なめやがって!」
無視されると言う事は存在価値無しと言われているのと同じだった。
明隆:「無視してんちゃうぞ!」
新石:「僕は関係ないっ!」
新石は向かってくる俺から逃げるように門を出て行った。
みんなが寝静まった真夜中、密かに鬼ごっこが行われていた。
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