～宿命～

黒かった空が紺色に変わり始め、複数のカラスが鳴きながらどこかへ飛んでいく。

無心で走っていると眠くなり、まぶたが二分の一ほど閉まってきている。

何時間か経った時、前方から声が聞こえた。
正道：「☆●♂＊§◇★よ～！」
寝ぼけていて何を言っているか聞き取れない。
明隆：「えっ？何だって？」
目を覚ました俺が前方を確認すると正道が新石の上に座っていた。
正道：「捕まえましたよ～！」
明隆：「おっしゃ！待ってろよ！オッサン！」
完全に目覚め、気合いを入れた。
興奮させる効果があるアドレナリンが分泌され、テンションが戻りつつある。

俺が正道の所に着いた時には朝日が顔を出し、新聞屋が朝刊を配達していた。
明隆：「おい！コラッ！何で逃げんねん！」
新石：「だって捕まったら何されるか分からないもん。」
明隆：「するか！アホ。オッサンにとっていいニュースを持ってきたんや！」
新石はニヤつく俺を眺め、ポカンと口をあけていた。