~宿命~
他の奴等はジッとこっちを見つめ、様子を伺っている。新石も含めて…。
明隆:「そう言う事か。これが試験か…ふざけんなっ!」
そう言って胸元を掴んでいる二本の腕の間に勢いよく両手を入れ、絡ませるようにして二人の関節を捕らえた。
明隆:「おい。テメェ等。こいつらの腕をへし折られたくなかったら説明しろ。」
周りに睨みをきかせながら腕に力を加えていく。
新石:「合格。もう、放してやってあげてよ。」
ゆっくり双子の腕を解き、反撃に備えて一歩後ろへ下がった。
双子は関節を取られた方の腕を同じ押さえ方で押さえ、俺から離れていった。

新石はこっちへゆっくり歩き、状況の説明をした。
新石:「ここでは毎回、相手を不利な状況に追い込み、どう対処するか試験するんだ。10分後に開始と偽った情報を与え相手を油断させた所で恐怖心を植え付ける。ほとんどの奴はあの二人に圧倒されて逃げ腰になる。そうなると、逃げ出す事を考えたり弱気になったりといったメンタルダメージ(心的損害)を受ける。そんな奴に任務を任せられない。だが、君は勇敢にも立ち向かい、怪我をさせず確実に相手を捕らえた。見事だ。」
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