～宿命～

少女Ａ：「今の見た？新石さんの手ひっぱったよ～。」
少女Ｂ：「引っ張ったねぇ。でも、あたしは男らしくていいと思うけどな～。」
少女Ａ：「え～！ウチは嫌やゎ～。常識無さそうやし。」
少女Ｂ：「あれ？知らない？明隆さんって礼儀やマナーにうるさくて、常識外れの人には容赦なしで襲いかかるらしいよ。」
少女Ａ：「そうなん？ウチは、一度キレたら周りの仲間まで殴らないと気が済まないって聞いたよ～。」
どんな噂やねんと派手に突っ込みたかったが、結構傷ついていた。
そんな俺の顔をジッと見てきている子がいた。
明隆：「真横から何を見とるんや？」
女の子は突っ立ったまま返事を返そうとしない。
明隆：「ぶぁっ！」
ぼんやりしているだけかと思い、両手を広げて脅かしてみた。
女の子：「キャッ！」
気付いてくれたのは良かったのだが、何故か楽しそうに笑って逃げていった。
明隆：「…変わった奴ばっかりやなぁ～。」
人のことを言える義理でないのは分かっている。

そんな俺の行動を見て再び、さっきの２人が話し込む。
それも全て丸聞こえだった。