～宿命～

俺は思っていた以上に重い荷物を頑張って担ぎ、二階にあるそれぞれの部屋へ置きに行った。

二階には空き部屋が４部屋あるのだが、景色が悪いや虫が出そうなどわがままを言って誰も泊まろうとはせず、その結果、長い間空き部屋として放置されてきたのだ。


荷物を置き終わり、歓迎会の部屋に戻ろうとした時、水和が二階に上がってきた。
明隆：「おぉ。どうした？」
水和：「あの～、私の部屋はドコですか？」
明隆：「キミの部屋はこっち。忘れ物か？俺は先に行ってるから用が済んだら早よきいや。」
水和：「あっ！すぐ済むから待っててくれませんか？」
明隆：「えっ？うん…ええよ。」
水和：「ありがとうございます！」

元気よくニッコリ笑って部屋に入っていった。

５分後、部屋から出てきた水和は髪型を変えていた。
明隆：「髪くくってきたんや。」
水和：「はい！こっちの方が落ち着くので…どうです？」
明隆：「ははは…似合ってるな。」
俺の顔はひきつっていただろう。
いきなり「どう？」と聞かれると困ってしまう自分が情けなく感じた。