~宿命~
明隆:「あ、ごめんな。ちょっとやりすぎた。ごめんな、まだ痛い?」
ガキをあやすように彼女の頭を撫でながら謝り続けた。
確かに背中から落ちたし、力加減が未だにつかめていない。
よく手加減が出来ていないと安居に叱られていた。
水和:「背中…さすって?」
明隆:「ん?」
水和の声のトーンに少し違和感を覚えたが、自分の失態のせいだと思い、言われる通り背中をさすってあげた。
明隆:「どこら辺が痛い?」
水和:「全部っ!」
さっきまでの甘えた口調が怒りのアクセル全開の口調に変わっていた。
明隆:「嘘か?痛いの嘘か?」
頭にポツポツ怒りマークが浮き始める。
水和:「痛いわよっ!眠いわよっ!バカっ!もぅ…」
言いたい事を言ってスッキリしたからかまた泣き始めた。
明隆:「なんやねん!鬱陶(うっとう)しいなぁっ!」
こんな寝起きの悪い女は初めてだった。
これならまだビンタでもくらった方がマシだという事に気付かされた。
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