~宿命~
明隆:「大体、お前が毛虫如(ごと)きでビビってるからこんな事になったんや!」
水和:「あんただって見たでしょ?窓開けてなくてもいつの間にか部屋の中に居るのよ!」
明隆:「あんたって…。」
水和:「何でそんなに私を拒むの?私が嫌い?」
明隆:「別に拒んでねぇよ!嫌いだったら連れてこねぇしな。」
なぜか彼女は笑った。
確かに嫌いではない。
だけど、パートナーは恋愛対象ではなく家族のような存在なのだ。
自分に言い聞かせているだけかもしれないが俺はそうとしかとれなかった。

明隆:「ここだ。よしっ!行くか!」
水和が恋愛について語っていたが俺は耳を傾けず、スピードを上げて予定時間より1時間半も早く目的地に到着した。
水和:「もぅ!帰ったらとことん聞いてもらうからねっ!」
俺は水和の方を向き、舌をチョロチョロさせて挑発した。
水和:「変な顔っ!」
水和の怒った表情は好きだ。
姉しかいない俺に妹が出来た気分になり新鮮な気持ちになる。

そうこうしている間に依頼主が出てきた。
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