～宿命～

夢の終盤で息苦しく、顔がやけに熱いのに気がついた。
目を覚ましても状況は変わらない。
ゆっくり目を開けると、頭を何かに締め付けられている。
頭を動かそうとすると後頭部に力が加えられ、顔が柔らかいビーズクッションのようなモノに押し当てられた。
それは温かく、いい匂いがしていた。
だが、呼吸がうまく出来なかった為、もがき始めた。
その時、頭もとで水和が何かを囁いている。
水和：「私を置いて行かないで…」
返事をしたくても口をふさがれているのでもがくしか出来なかった。
頭に血がのぼっていく。
最後の力を振り絞り暴れてみた。
激しく手足をばたつかせた途端、何者かに横っ腹を攻撃する。
明隆：「もう、死んでしまうのか。」
俺は心の中で世話になった人達にサヨナラを告げた。
すると、水和の悲鳴と共に異世界から突き飛ばされた。
明隆：「ぷふぁ～！た、助かった。」
寝起きそうそう息苦しく真っ暗だったら訳が分からなくなり、軽いパニック症状を引き起こしてしまう事が分かった。
俺はまだ状況をつかめておらず、周りを見渡した。