~宿命~
校長:「真籐君。君は男の子だろう?女の子を叩いたら怪我が増えるよ!」
明隆:「何で女の子叩くと怪我増えるん?」
校長:「女の子を叩いて死んじゃったら悲しくならない?」
明隆:「なるかも…。」
校長:「なるだろ?それは心が怪我したからだよ。だから叩いちゃダメ!わかった?」
明隆:「でもさ~。」
うつむく俺の顔を両手でしっかり固定し、目と目を合わせて言ってきた。
校長:「今度、女の子を叩いたら…ガーッ!」
俺は校長に喰われると思った。
デッカい口をあけ、いきなり声を張り上げる。
ちっこい俺からすれば鬼にみえ、恐怖のあまり声も出なかった。

その後、すぐに解放され、泣きながら女の子に謝った。

これがトラウマになり、女を叩く=恐怖と勝手に考えてしまうようになったのだ。
今は校長に感謝している。
大切な事を教えてくれたことを。
ただ、校長のとった行動のせいで目からだけではなく、縮こまった息子からも涙を流させた。
帰り道、一歩歩く度に心が怪我を負っていくのに気付いた。
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