~宿命~
第4章 暇な不良共
俺は振り返り、安居が走る。
付いて来ていた不良達の二人が安居を追いかけようと走り出す。
だが、この二人を見逃したら何の為に安居を逃がしたか分からない。
俺は素早く追いかける一人に飛び蹴りを食らわして吹っ飛ばし、もう一人の背中の服を握り回転しながら遠心力でさっき吹っ飛ばした相手に投げ付けた。
そうなると不良達は全員で襲いかかって来る。
まさに飢えたハイエナだ。
喧嘩に慣れていた俺は普段通り不良達を蹴散らした。
普段は相手が一人なら攻撃をさせて受け流してから攻撃をするカウンター型で戦うのだが、今回みたいに相手が複数なら攻撃される前に攻撃する特攻型で戦う。

戦い方をろくに知らずただがむしゃらに手足を振り回す不良にとっては一番戦いたくない存在だろう。
例え、格闘技をしていても相手によって戦い方を変えなければ勝機を見逃してしまい、攻撃を受けてしまう。
俺は名誉と言えない負傷をしてまでも穏便に済まそうとは思わなかった。
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