~宿命~
第6章 安らぎの場
俺らがこのバーと出会ったのは安居とパートナーを組んで三日目の事だった。

その日、与えられた任務を終え、休憩出来る場所を探していた。
狭い路地を歩いていると一軒の店の前でパンチの効いたパーマ頭のおばちゃんがガリガリの野良猫に餌をあげていた。
明隆:「おい、安居。まるまる太った大仏がガリガリの猫に餌やっとるぞ。」
安居:「バカ!聞こえるじゃない!」
と小声で叱り俺の胸を叩いた。
その時、おばちゃんが話しかけてきた。
おばちゃん:「大仏様みたいに大きくないし、あたしは女だ。勘違いするんじゃないよ。ガキんちょが。」
安居:「すみません。ちゃんと言っときますので…。」
明隆:「ちょっと待てぃ!大仏!ガキ扱いした事謝れ!」
安居:「この、バカ~!あんたが謝りっ!」
そう言って俺のお腹に小さい靴を食い込ませた。
明隆:「う゛っ!…ごめん…なさい…。」
こんな俺らを見ておばちゃんが店に案内してくれた。
おばちゃん:「まぁ、中に入って話聞かせてちょうだい。あんたがこのガキと一緒にいる訳を。」
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