~宿命~
《ブンッ》と鉈が空をきる。
明隆:「マジかよ!?」
容赦なく振り回される鉈に一回でも当たると骨ごと殺られる。
今は避けるしか出来ず、鉈を取り上げれば無力に近い奴に追い込まれている。
考える内にだんだん腹が立ってきた。
明隆:「テメェ!マジで調子のんなよ!!」
???:「ヒヒヒヒッ!」
奴は楽しんでいた。すぐにでも殴ってやりたいが、我慢して勝機を待つ。
負けるわけにはいかないそう思ったまさにその時、《ザスッ》完璧に避けたはずだったが、腕をかすめてしまった。
慌てて傷口を押え、俺が落ちた部屋に逃げ込んだ。

傷自体は深くはなかったのだが、傷口に鉈の錆(さび)がついていて動く度に錆がチクチクと傷を刺激する。
すると、外側・内側から針で刺されるような激痛にみまわれ、燃えるように熱く感じるのだ。

奴は俺に指をさしてこう言った。
???:「ヒヒヒヒッ!能無しちゃ~ん、み~っけぇ。」
俺は“能無し”と言う言葉にキレた。
明隆:「…隠しとる能を魅したるわぃ!!」
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