~宿命~
第16章 容赦して
俺は机とドアの中間におり、どういうルートで行っても俺の横を通らなければドアを出れない。
明隆:「逃げようって魂胆(こんたん)か。情けねぇ。何処へでも行きやがれ!」
こんな奴と話しても意味がないと思い、行かせる事にした。
ドアを出ても正道達が捕まえる。
そんな余裕をみせていた。
新石が俺の横に差し掛かった時、わざわざ逆鱗(げきりん)に触れて通り過ぎる。
新石:「忘れなさい。」
その言葉で安居との思い出が蘇(よみが)り、俺を呼ぶ安居が遠ざかっていく。
明隆:「もう…お前は逃がさんぞ!新石ぃぃ!」
ドアノブを握る新石に向かって走り出し、振り向いた瞬間、膝で胸を貫いた。
《ドーン!》
ものすごい音が威力を物語る。
それでもまだ気が済まない。
胸を押さえる新石から離れ、助走をつけて再び走り出す。
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