偽りの婚約者
「えぇぇー!!主任が千夏に告白したのぉー!?」
紗季さんの絶叫が部屋中に驚いた。
紗季さん驚きすぎ……。
「まさか主任が千夏を好きだったなんて驚きね」
「……私は主任の気持ちには応えられません」
「それは主任に伝えたの?」
「はい、無理だって言いました。でも主任は諦めてくれそうになくて……」
「そんなに千夏の事が好きなのね。
主任てよく分からない人だと思わない?
誰に対しても愛想がいいし、後輩の面倒見もいい。
だけど何を考えてるか分からないんだよね……」
「紗季さんて主任の事を良く見てるんですね?」
「別に、良くなんて見てないわよ。主任とは気が合わないもの。出来れば近付きたくないし……。
千夏は気を付けなさいよ!
主任てしつこそうだし……残業の時はなるべく私も入るようにするわ」
これから残業の時は紗季さんが入ってくれるのなら、もう主任と二人だけにならずにすみそう。
紗季さんに話して良かった。