偽りの婚約者
夕食が済んでお風呂から出て自分の部屋に戻ろうとした時だった。
「千夏ちょっといい?話しがあるんだけど」
お母さんに呼び止められた。
「何?」
リビングに行くように言われて入って行くとお父さんもいた。
「千夏は東條さんとはどうなっているの?
お見合いのお返事をもらった時、結婚を前提に付き合いたいって事だったでしょ。
それなのに結納の話しも出ないし心配になって……。
あなた達はどうなっているの?」
お見合いから、もう3ヶ月とちょっと経ち、東條さんからのプロポーズは受けたけれど私の両親にはまだ何も伝えてなかった。
「お父さんとお母さんにはまだ話してなかったんだけど東條さんが結婚の事を決めていきたいって。
だから今度」
「千夏」