偽りの婚約者




「っ……」



覆い被さってきた東條さんは荒々しく唇を重ねてきた。


乱暴に口をこじ開けられ中に舌が入り込んだ。



「いっ……」


胸が鷲掴みされ痛みに喘ぐ、いつもと違う彼に戸惑った。


体のあちこちに噛み跡を残され痛みで涙が滲んできた。



こんな怒りをぶつけるように乱暴にされるのは嫌だ。


「こんなのイヤっ!!」



責める手と口から逃れようと体をひねる無意識に出した両手は掴まれて頭の上で拘束されてしまった。


「大人しくしてろ」



きっと罰なんだ!
紗季さんと主任の策略に踊らされて信じることが出来なかった。



だから甘んじて罰を受けるしかない。
私は抵抗をやめた。




< 237 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop