偽りの婚約者
「これっ、凄く美味しいですよ!」
「……お前は今頃になってそれかよ。クククッ、ったくしょうがねぇな」
ガッカリした顔がびっくりした顔に変わり次第に笑顔に変わっていった。
「……さっきは考え事をしていて……ごめんなさい。
本当にこれ美味しいです。連れて来てくれてありがとうございます」
「そうか、気にいってくれたんなら良かった」
この後に聞かなければいけない話しの事は一時、頭の隅に追いやりそのまま食事を楽しんだ。
「本当に美味しかったです。今度は紗季さんや玲奈さんと一緒に来ようかな……」
「……お前の友達か?」
「玲奈さんと紗季さんですか?会社の先輩です」
「……そう、か……」