A promiseーあの日の約束ー
「ねぇ、聞いてる!?」
何も言わない私に男の子は少し声を荒上げた。
そして……。
ドンッ
いつの間にか近くに来ていた男の子が、私の顔の横に手を着いた。
びくっと肩が上がった。
……いつの間にか壁に追い込まれていたらしい。
「聞いてます!でも私、そういう気は……」
「安心して?付き合ったら俺一途だし、俺の事好きにならせるから」
……嘘にしか聞こえない。
「だから……ね?」
段々近付いてくる男の子の顔。
……頭が真っ白になる。
突き飛ばそうにも身体が全く動かない。
そうする間にも近付いてくる。
あの時と重なる。
あの時も私は逃げれなかった。
それで、心がぼろぼろになった。
……い……いや……嫌!!
誰か……。
「たす……けてっ……!!」
もう後数センチで重なる唇。
なんとかその声を絞り出した。
助けてくれる人なんて此処にはいないのに。
……何故か夢に出てくるあの男の子が思い浮かんだ。