A promiseーあの日の約束ー

「……てめぇに関係ねーだろ!!」

一歩も引かない栗色君に苛立った男の人が殴りかかった。

私は驚いて目を見張った。

殴られる……!

痛々しい音の後、ドサッと倒れる音。


「え……?」

倒れていたのは男の子の方だった。

栗色君は全くの無傷。

……嘘。

栗色君、強いんじゃん。


「……って!」

男の子の口からは血が出ていた。

「まだやる?」

暫く男の子は栗色を睨んでいたけど、目を反らして立ち上がった。

「……チッ」

超機嫌悪そうに舌打ちをして行ってしまった。


かなり強烈だったのか、足元がふらふらしていた。
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