A promiseーあの日の約束ー

一瞬何が起こってるのか分からなかった。

気づいたら私の前にいた栗色君がいなくなってて。

同時に身体が何かに包まれる感覚。

……栗色君が私を抱き締めていたんだと分かるまで少し時間がかかった。


耳元で栗色君が話し出した。

「やっと見つけた……!」

「え……?」

見つけたって、何を?

「ずっと……ずっと会いたかった!!」

さっきより強く抱き締められた。

会いたかったって私の事?

でもこんな人見覚えがない。

……それより。

「あの、苦しいです……」

息出来てないし!

「あっ、ごめん!!」

やっと気づいてパッと離れる栗色君。

「はぁ……はぁ……」

苦しかった……。
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