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 「私、初めてだけど」
 鳩葉の一言に、青葉の陰部の盛り上がりが彼女の太腿に伝わった。
「好きなんだ」と青葉。
「いいよ。あなたなら」
 夏場だった。男の前でキャミソールを着ていたのがいけなかったのかもしれない。ブラをのぞかせ、無防備でもあった。キャミソールの下から青葉の手が緩急をつけ侵入し、揉みしだく。唇と唇が強弱をつけ開閉され、開かれる度に、舌に荒く不文律なメロディが絡まる。四小節の積み重ねが曲になるように、二人は一つになり、快楽とは程遠い、苦痛の中で鳩葉は、フウのことが頭をよぎった。
 繋がり、繋げる。
 でもね、フウ。繋がる、って痛い。鳩葉は涙目をこらえながら、青葉が果てるのを待った。
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