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 鳩葉は青葉と共に三号車へ向かった。
「いる?」
 鳩葉は訊いた。
 四号車は比較的年齢層が高めだった。なんだろう、精気的な臭いが車内をはびこっている。
「イカ臭いね」
 青葉が鼻をつまんだ。
「いる?」
 もういちど、鳩葉。
「いないなあ」
 青葉は席を順繰りに見回る。不審がる車内のお客たち。
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