HELP
 不快。
「罪?」
 とマナ。
 うん、と梨花。「だって、セックスの話をしてる、って言ったら、だんまり決め込んで、さらには、か弱き乙女を演じるなんて、さ。セックスの偉大さを知ってるからこそ、黙り、か弱き乙女を演じたんじゃない?」
「梨花ちゃん!」
 と先生が物凄い剣幕で梨花に詰め寄る。
「そんなことないもん。セックス」
 とマナは言葉を発して、あっ、と口元を手で押さえた。
「親が風紀委員長をしている娘が、セックス、って風紀が乱れる、乱れる」
 バチン、と梨花の右頬に一瞬の痛みと炭酸を飲んだときのような爽快さが炸裂した。そう、ビンタをされたのだ。
 誰に?
「好い加減にしなさい」
 そう、先生に。
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