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旅の終わりは笑顔で

一号車

 「フウでしょ、フウでしょ」
 鳩の目をした女が鬼気迫る勢いで銀次に接近するのを、胡桃は眺めた。
「フウ?」
 胡桃は銀次を見た。彼はバツの悪そうな表情をした。
「人違いじゃないかな」
 銀次は言った。
「なんで誤摩化すの、音楽って〝恋〟でしょ。違うの?」
 ザ・タメ口。いや、むしろ童顔そうな鳩の目のような女は銀次と同年代なのかもしれない。
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