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「ねえ、まずは自己紹介からじゃない」
胡桃は言った。
「そうね、そうよね」と取り乱していた女は、「鳩葉です。『ウイング』のファンで、フウが生み出す音楽が好きです」と背筋をしっかりと伸ばし言った。
鳩が名前に付くとは胡桃は思いもしなかった。なので、唖然。でも、気を取り直して鳩葉に訊いた。
「『ウイング』って、音楽の?消えた人よね?」
「そうです。出したアルバムは一曲だけ。雑誌登場回数一回。露出度は少なめです」
鳩葉は記憶を辿るように、こめかみに人差し指をトントンと軽めに叩いていた。銀次が笑う。笑うというよりは吹き出した。
胡桃は言った。
「そうね、そうよね」と取り乱していた女は、「鳩葉です。『ウイング』のファンで、フウが生み出す音楽が好きです」と背筋をしっかりと伸ばし言った。
鳩が名前に付くとは胡桃は思いもしなかった。なので、唖然。でも、気を取り直して鳩葉に訊いた。
「『ウイング』って、音楽の?消えた人よね?」
「そうです。出したアルバムは一曲だけ。雑誌登場回数一回。露出度は少なめです」
鳩葉は記憶を辿るように、こめかみに人差し指をトントンと軽めに叩いていた。銀次が笑う。笑うというよりは吹き出した。