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 えっ、と時間差で梨花は疑問が湧いた。今、お母さん、って。
「母を知っているんですか?」
「昔、ちょっとね」
「あっ!」 
 と梨花は男に向かって指を差し、叫んだ。
 そうだ、思い出した。幼少時代に母と逢瀬を重ね合わせていた男の中の一人。
「記憶が蘇ったかい」と男は指はパチンと鳴らし、「母親がいないのは辛かったかもしれないが、逆にいたらいたで君は駄目になっていた。そのお腹」と梨花は逆に指を下腹部に突きつけられた。
「知ってる?」
 と梨花。
「なんの話し?」
 と女性。
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