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 「そういえばさ」と青葉が口の周りをチョコに満たし両の手の平をパチンと合わせた。「列車に駆け込むとき、面白い光景を見たんだ」
「面白い光景?」
 未だに疑問の解答をもらっていないが、その光景が鳩葉は気になった。
「うん。ここって何号車だっけ?」
 青葉が鳩葉の方を向きながら口周りをティシュで拭い訊いた。
 彼女は特急券を確認した。
「五号車ね」
 鳩葉は言った。
 沈黙。
 すると青葉がホームの方を指差し、なにか数えている。周囲の乗客も物珍しそうな表情をしていた。
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