HELP
 「それって本当なの?」
「目はいいんだ」
 そう言う問題ではないだろう、と鳩葉は苦笑した。
「車掌さんに伝えた方がいいと思う」
「そうだよね、それはいい案だ、鳩葉ちゃん。発車するとか言ってまだ停車してるし」
 青葉が席から立ち上がりかけた。
 が、扉は無慈悲にも閉まり、緩やかに、かつ、彼の行動を嘲笑うかのように発車しだした。
「かちりとはまったわね」
 と鳩葉。
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