HELP
 そこまでして、私のこと好きなんだ、というぐらい追わせる。なので男に対してはそっけなくても構わない。本当に好きで興味があるなら、男は追ってくる。なので世に出ている恋愛指南書は、破棄して構わない。そっぽを向き、焦らし、執拗に追わせる。これでいい。そうすれば、本当にわたしのことが好きで、守ってくれて、将来の為に仕事に精を出す、という男性をゲットできる。まあ、こんなことを高校一年の小娘に言われたくはないだろうが、と梨花は意味もなく納得した。
「み、みず鉄砲下げてもらえるかな、梨花ちゃん。おばさんはおばさんとして認知しているから」
 ああ、いたのか、と梨花は思考のプロセスを辿っているうちに目の前の絹枝の存在を消滅していた。
< 49 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop