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 「満たされてない、というか突然別れを切り出されてわけですね」
 胡桃はこくりと頷く。「たかが恋愛でこんなに落ち込むなんて思わなかった」
「恋愛は栄養源ですよ。たいへんよくできました、という人生の花丸をもらうための」
 銀次は胡桃の肩に手を乗せた。気安く、自然に、安定的に。
「苦しさしかないじゃない。人を好きになるって、凄く、凄く、力と精神を使う」
 胡桃は店を臨時休業にし、逃避するめにボストンバッグを持って来た。その中から、チョコの袋を取り出し、荒々しく開封し、勢い良く口に放り込んだ。即効的に、喉が渇き、オレンジジュースのペットボトルで渇きを癒した。
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