HELP
 「そのオレンジジュースって何パーセント?」
 花丸の真剣な表情に彼女は笑みをこぼした。
「百パーセントだけど」
「だからいいんだ」
「え?」
「だからさ」と銀次は頬をさすり、そして膝に手を置いた。「オレンジジュースも旨味を百パーセント凝縮して、胡桃ちゃんの体内に入り、運命を全うした。胡桃ちゃんも恋の旨味を全力で生き、運命を全うした。遅かれ早かれ、また新しいオレンジジュースが生まれる」
 またもや花丸は気安く胡桃の肩に手を置いた。
< 85 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop