ノスタルジア





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白を基調とした、必用最低限の家具しかない殺風景なリビング。





大きな薄型テレビの上にあるモノクロのオシャレな時計の針は、もうすぐ夜の10時を差す。






リビングから吹き抜けになってあるベランダの大きな窓を開けると、観葉植物やら大きな草木やらがたくさんあって。




ぽつん。



と、そのなかにひとつ。



白くて少し錆のついた椅子がそこにあって。









ギィ……ギィ……。




と、その椅子を揺らしながらそこに座って晩酌をするのが、ここの主人。








「澪、そこにいて寒くないの?」




「……うん」







ボーッとそこから真上の星たちを見上げて、片手には大きな氷とお酒の入ったグラスを傾けて。




毎晩、こうやっているのが彼の日課らしい。







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