ノスタルジア







彼の瞳の黒に、光はなかった。






「……み、お……」





震えだした肩を押さえようにも、身体が動かない。




勝手に部屋に入ったから。



勝手にアルバムを見たから。




だから怒ってる。






彼が私へ向けたのは、そんな優しいものではなく。








「悪い子には、ちゃんと躾をしないとね」





「……っ!」






妖艶にそう微笑んで近づいた彼は、私を後ろの壁へと押しつけた。





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