ノスタルジア






私の知ってる澪じゃない。




たまにひねくれてるけど、私を甘やかす。




あの澪じゃない。






「澪……や、だ」





私の言葉に、彼は何も答えない。





ぐっと距離が近くなって、私の太ももの間へ脚を挟んで逃げ場をなくす。






「ねぇ、澪……」





「…………」





「いつもの……澪、じゃないよ」










泣きそうになりながら、呟いた言葉に。















「お前は俺の何を知ってるの」












低い声でそう呟いた。










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