ノスタルジア






……澪の何を知ってる?





私は何も知らないよ。





だって貴方は教えてくれないじゃない。








「それとも、僕が教えないから君は何も知らない?」





考えていたことを、彼は言い当てる。





「そんなの甘えだ」





くすりと笑って、私の耳元から頬をなぞる。







「聞かないのは、君だろう」






ドクン、と胸が大きな音をたてる。



私は、真っ直ぐに見つめられた彼の視線を逸らせない。







< 120 / 482 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop