ノスタルジア
女の子2人のそんな会話が聞こえて、エリカというらしい子は苛ついたように玄関から出ていった。
俺はハァと重いため息を吐いてから、さっきまで声がしていたほうの下駄箱へ顔を出す。
「さっそく突っぱねたのか。アヤノ」
皮肉を込めて言ったつもりが、さっきまで俺が探していたその人物は俺を見て屈託のない笑みを浮かべた。
「澪!」
「ったく。帰んぞ」
「うん!」
嬉しそうな笑みを浮かべて、まだ履き慣れないローファーでこちらへと歩いてくる彼女。
そんな彼女と肩を並べて、俺達は学校をあとにした。