ノスタルジア





「澪、あのね……」




"ワガママでごめんなさい。帰ろう"



そう言おうとした時、彼は肩を寄せて私を近付けた。



ぐっと距離が近くなる。





「?」




「見て、キキ」




「これはなに?」









ポンと彼によって差し出された手のひらの上にのせられる、小さな箱。






「よく見て」



「?」






彼に言われて、その透明な箱の中を覗きこむ。









「あ!」







目をまんまるにして驚く私を、彼は嬉しそうに見ていた。






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