ノスタルジア






「さくら!!」





思わず、店内だということも忘れて大きな声が出る。





「前に見たいって言ってたじゃん」




「……うん!」




「だけど、もう時期的には難しいから」






小さくて透明な箱の中。




そこには、鮮やかなピンク色したさくらの花びらがたくさん詰まっていて。






「まぁ、本当のさくらじゃなくて悪いんだけど」




「え、本物じゃないの?」




「それは入浴剤。お風呂にお湯張って、それを散りばめるんだよ」




「すごい! さくら風呂だ!」




「本物じゃないけど、嬉しい?」




「すっごく!」




「そう、良かった」






< 196 / 482 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop